イセエビとロブスター、海の貴族はどっちだ?
ハサミがあるからって、偉いわけじゃない。

ロブスターは、アメリカの海からやってきた“西洋の海老貴族”。
大きなハサミをふりかざし、ボイルされるその姿は、どこか威風堂々。
一方でイセエビ。
ハサミなんてないけれど、堂々と赤く輝くその甲羅。
長く優雅に伸びた触角は、まるで日本の美意識を体現するかのよう。
**
味わいは、どちらも「ごちそう」。
でも、ちょっとだけ違う。
イセエビは、甘くて締まった身。
刺身にすれば、舌の上で「うまい」が跳ねる。
味噌汁にすれば、海の香りが広がる。
ロブスターは、肉厚でジューシー。
バターで焼けば、ぷりぷりと弾む幸福感。
濃厚なビスクは、スプーンを置けない罪なスープ。
**
どっちが上か、なんて決める必要はない。
それぞれの海、それぞれの文化が育てた、“うまい”のかたち。
ハサミがあるかどうかなんて、ほんとうはどうでもいいのかもしれない。
**
次に海老を選ぶとき、
ちょっとだけ、物語を思い出してみてください。
イセエビとロブスターを味わおう!
