伊勢海老、オマール海老、ロブスターってなにが違うの?

伊勢海老、オマール海老、ロブスター、その言葉を聞いて、頭になにかしらのイメージが湧く方は多いと思いますが、皆さんはその違いを説明できますか?

なんとなく、”大きな海老”と認識されている方が多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、それぞれの違いを皆さん解説します。

 

 

伊勢海老とは?

伊勢海老は体長20cm~30cm程度の大型のエビです。なんといってもその特徴は大きな2対の触覚とトゲのついた硬い殻です。

この伊勢海老ですが、三重県の伊勢にしか生息しないわけではありません。

熱帯域の浅い海に広く生息しており、もちろん日本国外でも漁獲されています。

ただし、消費者に誤解を与えないように、外国産の伊勢海老は“イセエビ”とカタカナで表記されるのが一般的となっております。

伊勢海老という名前の由来には複数の説があり、

 

・伊勢海老の甲羅が武士の兜に似ており、威勢の良い“海老→伊勢海老

・“伊勢(三重県)”周辺でよく獲れた→伊勢海老

・産卵期はにいることが多く、磯“の”海老“→伊勢海老

 

という説が有力です。

しかしながら、現在でもはっきりとしたことは判明しておりませんが、

1500年代の書物で伊勢海老の名前が確認できているため、昔から日本人にとって

馴染み深い海産物であったことが分かります。

 

なぜ伊勢海老は縁起物なの?

伊勢海老はお正月のおせちに使われる通り、縁起物というイメージが強いと思います。では、なぜ伊勢海老は縁起物とされているのでしょうか。

大きく分けて3つのイメージが伊勢海老を縁起物へと導いています。

◎長寿を連想

  2対の長い触覚と胴体が曲がったその姿からは長寿を連想することができます。

◎紅色

  紅白の色は縁起の良い色とされており、紅は魔よけの色とされることもあります。

  伊勢海老は熱した際に非常にきれいな紅色となります。

◎立身出世

何度も脱皮して成長することから、立身出世の縁起物とされています。

 

オマール海老ってなに?

国内で馴染み深い伊勢海老とは対照的にオマール海老は「名前は聞いたことはあるけど具体的にイメージはつかない」という方が多いのではないでしょうか。

オマール海老は海老という名前がついていますが、実はザリガニの仲間です。

ザリガニは皆さんご存知の通り、鋏を持っています。オマール海老もこの鋏をもっており、鋏がハンマーに見えることから、フランスではハンマーを意味するオマール (homard) と呼ばれています。これこそオマール海老がオマール海老と言われる所以です。

ちなみに、オマール海老は英語でロブスター (lobster) と言われます。

じつはオマール海老とロブスターは地域により名称が異なっているだけで、同じ生物を指します。(広義で大型の歩行する海老全般をロブスターと言う場合もあります)

 

オマール海老はどこで獲れるの?

オマール海老は残念ながら日本近海では獲れません。

アメリカの東海岸や大西洋のノルウェーから地中海周辺、南アフリカ地域でよく獲られています。日本に輸入されるオマール海老の多くはカナダ産です。

同じ生物でも、体色は生息地により異なっており、擬態して天敵から身を守るため、その地域の海底色に近い色になる傾向があります。

 

伊勢海老とオマール海老の調理について

伊勢海老とオマール海老の違いについては理解できたでしょうか?

最後にそれぞれの調理の特徴について紹介しましょう。

伊勢海老は御造りのイメージが強いと思います。殻ごと皿に盛り付けられ、ハレの日の料理によく登場しますね。手間をかけた調理をすることは少なく、素材そのままに近い状態で皆さま召し上がることが多いと思います。

伊勢海老のお造りを作る際に留意すべきは下記の点です。

  • 角(つの)といったトゲトゲが多いのでケガをしやすい
  • 調理方法や保存方法によっては殻や身が黒色変異してしまい、素材をダメにしてしまう可能性がある

せっかくのハレの日の食卓を豪華な伊勢海老で演出をお考えの方は、プロが捌いたい新鮮な刺身を購入した方が無難かもしれません。

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一方で、オマール海老は名前がフランス由来であることもあり、手間をかけた調理方法が多く存在します。

その中でも代表的な「オマール海老のテルミドール」の作り方をかいつまんで説明します。

まず、固い殻のオマール海老を半分に切ります。

次にハーフカットしたオマール海老の身や卵やミソを取り出します。

身を取り出した後、殻を綺麗に洗浄します。

綺麗にした殻に小さく切った身とマッシュルール等入れ、作っておいたベシャメルソースを加えて殻ごと焼き出来上がります。

控え目に言って、メチャクチャ手間のかかる料理です。

 

世界料理オリンピック銀メダリスト監修のテルミドールが簡単調理で味わえる

これまでの説明で、オマール海老と伊勢海老は生物学的には全く別の生物であることがわかったと思います。

調理方法も大きな違いがありますが、実は、「特別な日の食事によく使われる」という共通点もあります。

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